〜ヘタなのにやりたがる理由〜

 

インプラントのスペシャリストとして知られる、○○歯科医院の○○院長が語る。

「僕は３０年以上歯科医をやっていますが、それでもインプラントの手術は難しいと感じ続けています。安易にやる手術ではありません。インプラント手術は、術後５年くらいは何ともないことも多いので、若い歯科医は『自分は手術が上手い』と勘違いしがちです。」

 

このインプラントのスペシャリストの先生を私は知りません。私の知っている限り有名ではないと思えます。そして気になるのは３０年以上歯科医をやっているということ。当初からインプラントをやっているのなら相当失敗を知っているはずです。なぜなら今のタイプ、チタン製のインプラントが日本で認可されるようになってから３０年は経っていません。それ以前に認可されたものは骨と直接くっつく事はありませんでしたから成功率はかなり低かったと思われます。それに自分の歯が残っていなければインプラントはやってはいけないものでした。まあ、“気は心”といったものです。インプラント手術は殆ど全ての場所に適応出来ると考えるととても難しいと思います。そしてこの先生が今のタイプのインプラントを始めた頃、（私がインプラントを始めた頃と同じだと思いますが）は上顎にはやってはいけない（禁忌）だったはずです。ただ、規格化されたドリルやインプラント体を埋入するのにはそれほど技術は必要ありません。問題は無理のあるところにインプラント出を行う為にはとても神経をすり減らします。沢山の症例を見て、どうするべきかということを考える必要があります。

術後５年くらいは何ともない事も多いと言っていますが、この先生もインプラントのトラブルを経験していますね。若いからではなく、自分の経験上というお話です。