○○さんはインプラントにしようか入れ歯にしようか迷っていた時期にインターネットでインプラント治療の無料説明会がある事を知り、物は試しと出かけていった。「ホテルで開かれた説明会には50人ほどの人が集まっていました。マイクを握った歯科医が、『入れ歯より最初からインプラントを入れた方が、長期的にみればコストが安くなる。私の医院には全国から患者が集まってくる。これまで経験したインプラントの症例数は日本でもトップクラスで、失敗は一度もない』と滔々と語るのです」

 

全国から患者さんが集まってくるっていうのもどうでしょうか?来るとすればネットで見つけた人が来るのではないかと思いますよ。だって私たちがこの説明会があると聞くとどこの歯科医院とどこの歯科医院という事は解ります。でも、一般の患者さんが見つけるのにはどうしたら良いのか、この方がなぜ説明会に行ったのかといえばいわばネズミ講や宗教の説明会などと一緒の理論。ウデが良いと言うことではなく、ホームページの作り方がとても見事だったという事でしょう。歯科のインプラントの立場は最初からインプラントと考えるのではなく、いかに自分の歯が抜けないようにインプラントを入れる事が大切なんだと思っています。

ということはただインプラントを埋入するだけ。勿論入れ歯より咬む事、そして長持ちすることはまちがいないですが。

ただ、失敗は一度もないというのはおかしな話です。インプラントがくっついていなくても落ちていない。痛くても使っている。これらは患者さんにとって不具合ですから患者さんにとって成功とは言い難いでしょう。それに思ったより良くなかったというのもその一つ。

成功、失敗は患者さんが決めることです。そしてくっつかなかったときにどう考察し、第2、第3の手を考えるかが重要ですね。後がないのなら手術はすべきではありません。患者さんは実験動物ではないのですから。

インプラントは技術的にもよほど難しいケースをやらなければ簡単なものです。むしろ歯を残す方がとても難しい技術を要します。

この先生が言った言葉でインプラントの方が、長期的にコストが安くなる。長期的にみてって義歯と比べればそれもそうですが、抜いてインプラントにするのはとても楽ですよね。これって殆ど抜かなくて良い場合が多いですから。抜けているところにインプラントするにはとても条件が多くなります。これについてはまた、いつかブログに書きたいと思っています。