抜く治療は「時給が50倍」?

筆者の奥歯2本は本当に「抜歯してインプラント」という選択肢しかないのか。

専門分野が異なる3人の歯科医に画像診断を依頼した。

と。

この時点で大きな問題があります。私たち開業医では専門分野というのは歯科、小児歯科、矯正歯科、口腔外科のみです。歯を保存出来るか、出来ないか、というのは歯科保存科という事になりますし、インプラントも専門分野という範囲を国は置いていません。従ってすべてが出来る、出来ないだけで判断します。根管治療が苦手な歯科医院に当医院は根管治療は出来ませんとは書いてありませんよね。ですからどの歯科医院でも当たり前に行うものと決められています。むしろ当たり前に出来ると判断されています。

1人目は「歯を残す治療と、インプラント治療の2つを提示して選んでもらいます。」

2人目は「症状が出ていないのなら、経過観察すべきです。画像には確かに病巣が写っていますが、歯が揺れたり、膿みが出ていないなら、治療しない方がいい。」

3人目は「奥歯2本とも揺れがないし、嫌な匂いもない。根尖病巣はあるけど、抜かない治療手段はある。まず根管治療が第一選択で、歯根の先にある膿みを肺で掻き出して治療すれば歯を残せるでしょう。」

私だったらどの方針を選択するか。

この三者三様の考え方から推定すると1人目の外科的積極派だったら取材でなければ第一選択はインプラントになりますよね。しかし、2人目のそのまま様子をみる。3人目の根管治療というのならおそらくこの歯は残せる確率が非常に高いと言えます。

取材者がその通り話をちゃんと聞けたという事を前提として、問題は2人目の様子をみるというのは言い換えればダメになるのを待つ、もしくは病巣があるけど治せないと言っているのと同じです。

私は3人目の根管治療で治すというのが正解だと思います。

そして最後にこの記者はこう綴っています。

もちろん「絶対に抜かない」にこだわり過ぎると、歯周病が悪化して周囲の歯もダメにしてしまう可能性もある・・云々・・。

根管治療をする歯と近隣歯の歯周病とは関係ありません。まして悪化するのは他に原因があって根管治療で悪化するとは誰が言ったんでしょうかね。

報道の自由?それこそ恐ろしい戯言?