ある病院で、急性骨髄性白血病の患者さんが知覚過敏で歯が痛いという事で病院内の歯科で治療を施してもらおうと処置を依頼しました。その後その患者さん知覚過敏の歯を抜かれてしまいました。そこでは感染を起こして死に至っても責任を持たないと言われたそうです。

知覚過敏で感染?私達歯科ではこのような大病でどのような事がおこるか分かりませんし、死に至るという言葉をだされると何も言えません。

知覚過敏でこのような処置をされてしまうと急性骨髄性白血病になると健全な歯でも抜いてしまうと言うことが前提になってしまいます。

人の死を前面に押し出されるとやはり命を優先するのは当然だと思いますが、今回の週刊誌の記事もそれに等しいコメントになっています。

私がこの週刊誌で感じた事は「インプラントは便利であるがやる必要がない。」と。「歯がなくても死ぬ事はない。歯科はやらなくて良いことばかりやっている。」そう捉えてしまいました。

私たちの考えるインプラントの本当の良さはただ、便利で見栄えがする審美的なものとして捉えるのではなく、自分の歯を守る、そして全身への影響を考えた上で必要だと考えています。

まず抜かないで次にどんな状態を作ることが一人の患者さんへの幸せか、QOLをあげる事ができるのかと日々考えています。

この耳鼻科の准教授がインプラントのことを取り上げて「インプラント治療に限っては安全が最優先されるべきです。安全を犠牲にしてインプラント治療を行っている歯科医たちのモラルは、我々医科の人間には想像できません。」と歯科医療を完全否定しています。

耳鼻科と歯科の範囲はかなり近寄った範囲にあります。私たちも耳鼻科の治療、中身を事細かく知る必要もあります。また、こんな事も言っています。「歯科医からの紹介状には、合併症の原因を歯科医師自身がどう考えているのかが記載されていないのです。歯科医が合併症の原因を分析できないのか、もしくは瑕疵を隠そうとしているのか、私には分かりません。」と

歯科を医療として認めない発言をするのなら耳鼻科の准教授ならば何がどんな原因で起こったものか、そして治療法はこのようにして治したとかの見解がほしいですね。

ただ、インプラントを除去して薬を出すだけでは何の意味もないのですから。

いずれにせよ、私たちもインプラント治療を行う際には深く色んなリスクをしっかりと考えるべきですね。そしてその経験をもっと全面に出していくことも重要な事だと思います。