最近、患者さんに
歯科の先進医療とは何かと聞かれます。
そもそも先進医療とはどんなものか
あなたは知っていますか?
特定の大学病院などで研究・開発された
難病などの新しい治療や手術など
ある程度実績を積んで確立されると
厚生労働省に「先進医療」として
認められます。
しかしながら
先進医療は、公的医療保険の
対象にするかを評価する段階にある
治療・手術などです。
したがって、
評価の結果、公的医療保険の
対象となったり、対象から外れたりするなど
先進医療の内容は
時と共に変わってきます。
そして、先進医療の技術料は
公的医療保険の対象外で、
全額自己負担になるのです。
その他の診察、検査、投薬、入院などは
公的医療の対象になります。
ここで問題になるのは
厚生労働省に届け出た
医療機関以外で
先進医療と同様の治療・手術などを受けても
先進医療とは認められないのですね。
それに先進医療と認められない場合、
全てが公的医療保険の対象外になって
診察料を含め全額負担となってしまいます。
では、歯科における先進医療の
現状はどうなのかというと
医科に比べて非常に少なくて
進んでないと、日本歯学系学会協議会では
悩んでいます。
私自身、歯科の先進医療は
ないに等しいと思っています。
例えばインプラントでいうと
今から30数年前は確かに先進医療と
言えたのですが、
高額で患者さんのQOLを上げるだけで
命に関わることはありません。
やがて、厚生労働省の候補にあがり
特別なものに関しては認められましたが
一般ではなかなか条件が厳しく
認められません。
ただ、今はごく一般でもインプラントが
当たり前のように行われるようになって
しかも高額であるために
国が負担するはずもないですよね。
そして、粗悪な安いインプラントが出回って
いつしか
インプラントの良さがわからなくなり、
良くも悪くもインプラントが本当に
必要な人に行えなくなって来ました。
残る歯を抜いて
インプラントをする歯科医院もあり、
余計疑いを持たれるようになったのも
最新医療と呼ばれなくなったのも
わかるような気がします。
後は材料の進化、機器の進化ですが
材料は殆ど大学の研究ではなく
業者が開発研究したものですし、
機器の進化も医科が開発したもので
ほとんど歯科ではありません。
それぞれの材料、機器については
機会があったらお話しします。
いずれにせよ
私の考える最先端治療、先進医療は
「抜かずに治す」なんですね。
それが一番難しい。
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