コロナに振り回され外出規制があったり
バタバタとしているうちに
早いもので3月ももう中旬
そして17日は彼岸入りです。
現世は此岸(しがん)といい
彼岸は「あちら側の岸」の意味で
双方の間には川がながれていて
その川が生死を隔てているのが
“ 三途の川 ” と言います。
ところで
あなたは “ 三途の川 ” の
意味を知っていますか?
“ 三途 ” と言う言葉はもともと
仏典の「金光明経」に記されている
「地獄餓鬼畜生の諸河をして焦乾枯渇せしむ」
の一説に由来すると言われています。
仏教の世界には3つの苦しみの道があると
考えられていてこれを “ 三悪道 ” 言い
それは地獄道、餓鬼道、畜生道の3つになります。
三途は “ 三悪道 ”からなる 苦しみの道ですが、
実は仏教が広く伝わった
東洋や日本だけに存在する
考え方ではないのですね。
古代ギリシャ神話でも、
現世と死後の世界では
川で隔てられていると言う考え方があり
“ 三途の川 ” の存在は宗教に関係なく
広く世界にあります。
“ 三途の川 ” には流れの速さが違う
3つの瀬があり、
現世で業の深さによって
渡る場所が変わると言います。
善人は橋を渡り、
軽い罪を犯したものは浅瀬を
重い罪を犯した者は流れの速い
深い瀬を渡らなければならないと言う
言い伝えがあるのです。
“ 三途の川 ” に対して
“ 三途の闇 ” と言う言葉もあります。
一般的には
死後に逝くべき世界と捉えていますが
地獄道、餓鬼道、畜生道の闇の世界で
光の見えない迷いの様、混沌とした様を
指します。
本来、 “ 三途 ” とは、
死後、生前の悪行を報いるために
受けなくてはならない
3つの苦悩、闇に包まれた境遇を意味する
“ 三悪道 ” なのです。
つまり全ての人間が一度は “ 三悪道 ”に
落ちると言うことなのです。
言ってみれば現実の世界、現実の生活の中にも
「私は正しく生きているから
“ 三悪道 ” には落ちないぞ!」と
思っている人もいるのではないでしょうか?
実際は仏教の言葉で
「十悪」というのがあって、
それは
「殺生」、「偸盗」、「邪淫」、「妄語」、 「綺語」、
「悪口」、「両舌」、「貪欲」、 「瞋恚」「愚痴」です。
動物の肉を食べ、ウソをついたり、
きれい事を言ったり悪口を言ったり
愚痴ったりおこったり・・・
これ人間の姿そのものですよね。
これも、“ 三悪道 ”ですが、
現実の世界でも戦争、貧困
そして 今日に至ってはコロナなどの感染症も
既に地獄の縮図かもしれません。
現世でもある地獄でも 人は一度は死を迎えます。
旅立つ時、人にいかに惜しまれるか
人にどう評価されるか その姿が
“ 三途の川 ” を渡るときの
業の深さなのかも知れませんね。
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