当院の咬合(咬み合わせ)治療について
咬み合わせはいろいろな辛さの原因となります
咬み合わせというと、柔らかい・大したことのないイメージが有りますが、実は人間にとって非常に重要なポイントです。
すべてが咬み合わせの問題であるとは言えませんが、咬み合わせの異常によって頭頸部の筋肉、血管、神経に圧迫、歪み、捻れが生じそれが痛みとなって現れることがあります。
例えば:ブリッジを入れた後に顎の痛みや頭痛が…
ブリッジを入れた後に顎の痛み、頭痛、肩こり、背中の痛みがでてきた、という声を頂くことは少なくありません。
これはなぜかといいますと
歯はそれぞれ1歯ずつ役割があり、繋げてしまうことによって手足を縛られたようになり、自由に動けなくなるからです。
歯がそれぞれ自由に動けないと、バランスが崩れ、顎の痛みが出てきます。また、その歯全体の歪みによって頭痛、肩こり、背中の痛みが発症します。
また、合っていない入れ歯や低すぎる補綴物(ほてつぶつ:詰め物や被せ物)を入れていることによって問題が起きる例もあります。口角に過剰なしわが入ったり、ほうれい線が強く浮き出ることがあります。
また、咬み合わせが低いために顔全体が下方に引っ張られて貧弱な顔になっている例も。。目尻のしわが深くなることもあります。
その他にもこんなことにもつながります。
- 「耳鳴りが消えない」
→ 顎の関節は三半規管に近接していて、関節の無理な動きや、無理な振動によって三半規管を刺激します。そのため近くに存在する動脈を刺激することによって耳鳴りが発生します。 - 「原因不明のめまい」
→ すべてではありませんが、医科で異常なしと判断され、原因が解らないとされためまいは歯科的疾患である可能性が高くなります。顎の関節は三半規管に近接していて、関節の無理な動きや、無理な振動によって三半規管を刺激します。そのため車酔い、船酔いに似た症状が発生することがあります。
近年、歯科では重い症例については大学病院に送り、“削って詰める”更に深い原因を歯科医師自ら作り出していることが非常に多いと思っています。
また、患者さんの生の声を聞くことも少なく、歯科医師側が「これで良い!」と言い切って咬合を作成しても、実際、機能に不満をため込んでいる患者さんは少なくありません。
そんな中、人間は全て代謝しており、成長、退化し、その年齢のステージに歯車を合わせ、生涯自然な成長に合わせた咬合を作成することが重要であり、一時的で審美的に造作された咬合は単年の美であり、歯科医師を満足させる咬合様式であり、患者さんの健康を守る咬合様式ではないように思います。
人間が“造作した理屈”を元にした咬合ではないことを理解してほしい。
人間の本来持つ自然体のバランスを取り、“正常”であるというところから人間の体が変化し、どう崩れてきたのか、それをその人の体の中で戻せる限界を知り、その咬合をベストな状態に再構築することを目的とした治療法です。決して数値、疫学的統計にあわせた咬合を作成するものではありません。
よく頂くご質問
そもそも咬み合わせって何ですか?
生物にとって必要な栄養素を摂取するために咀嚼します。その為に咬むという行為をすることが重要になります。
しかし、人間は進化を遂げ、2足歩行をし、考えて手を動かし、他のものとコミュニケーションを取るようになりました。そのため、呼吸、発音の仕方も進歩し脳の正常を保つために正しい歯の接触が重要になりました。
歯の接触はバランスを取ることが重要になります。この接触状態を咬み合わせと言います。
咬み合わせの異常があった場合、どのような治療が必要になりますか?
咬み合わせの異常は色んな要素が関わってきます。その為、一概にどのような治療になるとは言えませんが、基本的に原因がある程度特定出来てからの治療になります。その治療法は幾多にも分かれます。咬み合わせの調整、歯に材料を足してかみ合わせを上げたり、装置を入れたりする事もあります。また、筋肉の影響などを考えた場合、その筋肉をほぐすことや脱臼している関節の整復をしたりすることもあります。
顎がカクカクなるのは治りますか?
人(症状)によって治るまでの期間がありますが、殆どが治ります。
咬み合わせの治療はすぐに終わりますか?
人(症状)によって治るまでの期間があります。場合によって矯正治療が必要になることもあります。
咬み合わせが低いとはどういうことですか?
原因は多種多様ありますが、基本的に長期にわたって不良修復物、補綴物、またはシーラントなどが装着されている歯に天然歯が誘導され歯が全体的に摩耗してくることがあります。そうすると見た目では前歯の極度の摩耗やエラが張る、歯が割れるなどの症状が出てきます。症状としては顎の関節の雑音を始め口が開きにくくなるという症状を呈します。
耳鳴りや原因不明のめまいはどのように治療すれば改善しますか?
長期にわたるものは完治は比較的困難ですが、症状の改善は見られます。最初にスプリントというマウスピースを装着して経過を観ていきます。改善が見られるようならば原因は歯科的疾患と考えられますから、咬み合わせの治療で十分改善します。
自分で咬み合わせに異常があると自覚出来ますか?
見た目では前歯の極度の摩耗やエラが張る、歯が割れるなどの症状が出てきます。直接的な問題では口が開きにくかったり、開かなかったりします。また、顎がカクカクと音がすることも異常です。全身的な問題では、内科、耳鼻科などで原因不明といわれる頭痛、めまい、耳鳴りも咬み合わせの異常の可能性が高いです。また、肩こり、四十肩、腰痛も関連することがあります。
痛みはありますか?
痛みは殆どありませんが、治療中は元の状態に戻すために咬みにくくなったり、発音がしにくかったりします。